なぜそうなるか

光回線の契約をやめたくなったら——電気通信事業法は、書面を受け取った日から「八日を経過するまでの間」なら書面で解除できると定めていました

光回線を申し込んで、書類が届いた。けれど、よく読むと思っていた条件と違う。そんなときに、契約をなかったことにできる決まりがあるのかどうか。

電気通信事業法には「書面による解除」という条文があり、総務省はこれを「初期契約解除」と呼んで案内しています。

この記事では、電気通信事業法第26条の3の条文と、総務省の携帯電話ポータルサイトの説明、総務省が制度を入れたときに出した資料を、2026年9月26日の時点で読みました。

どの回線やプランを選ぶべきか、料金がいくらかは扱いません。読んだ条文や資料が、あなたの契約に当てはまるかどうかも、ここでは判断していません。

契約の種類や、申し込みの経路によって扱いが変わる場合があります。手元の契約書面と、事業者の案内をあわせて読んでください。

条文は長く、途中に括弧書きが何重にも入っています。この記事では、括弧書きの中身を順にほどきながら読んでいきます。

この記事でわかること
・契約の書面を受け取った日から8日を経過するまでは、書面で契約を解除できる
・解除の効力は、解除の書面を発した時に生じる
・解除しても、解除までの利用料や、工事の実費などは支払うことがある
・制度に反する特約で、利用者に不利なものは無効とされている

何日以内なら、やめられるの?

「8日」は、いつから数えるの?

条文は、書面を受領した日から起算して八日を経過するまでの間と書いていました。

電気通信事業法第26条の3第1項の、骨組みにあたる部分を抜き出します。

前条第一項の書面を受領した日(当該電気通信役務(第二十六条第一項第一号に掲げる電気通信役務に限る。)の提供が開始された日が当該受領した日より遅いときは、当該開始された日)から起算して八日を経過するまでの間

「前条第一項の書面」は、契約を結んだときに事業者が渡す書面のことです。括弧書きのとおり、サービスの提供が始まった日のほうが遅い場合は、そちらから数える役務があります。

総務省の携帯電話ポータルサイトは、同じ制度をこう説明しています。

初期契約解除制度とは、通信サービスの契約を結んで、契約書を受け取ってから8日以内であれば、一方的に契約を解約できるということを定めた制度です。

解除は、どうやって伝えるの?

条文の最後は「書面により当該契約の解除を行うことができる」です。第2項は、その効力が生じる時を書いています。

前項の規定による電気通信役務の提供に関する契約の解除は、当該契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。

「発した時」とあるので、事業者に書面が届いた時ではなく、出した時が基準になります。

光回線も、この制度の対象なの?

携帯電話だけの話ではない?

総務省が制度の導入時に示した資料は、固定通信の対象の1番目にFTTHサービスを挙げていました。

FTTHは、光ファイバーを家まで引くサービスのことで、光回線と呼ばれているものです。資料(平成27年11月)は、すべての規律の対象となる固定通信サービスとして、次を並べています。

① FTTHサービス

同じ並びには、CATVインターネットサービスや、それらに向けたインターネット接続サービスも入っています。ただし、この資料は平成27年のもので、その後に対象が変わっていないかは、この記事では確かめていません。

やめても、払うお金はあるの?

解除したら、1円も払わなくていい?

条文は、違約金などの請求を禁じる一方で、総務省令で定める額は別に扱っていました。

第26条の3第3項の前半は、こうです。

電気通信事業者は、第一項の規定による電気通信役務の提供に関する契約の解除があつた場合には、当該契約の解除をした者に対し、当該契約の解除に伴い損害賠償若しくは違約金を請求し、又はその他の金銭等(金銭その他の財産をいう。次項において同じ。)の支払若しくは交付を請求することができない。

続くただし書で、解除までに受けたサービスの対価など、総務省令で定める額は除かれています。携帯電話ポータルサイトは、その中身を5項目に分けて挙げています。

項目携帯電話ポータルサイトの書き方
解除までのサービス利用料原則、日割による利用料実費相当額
SIMカード発行手数料MVNOの場合のみ
工事費用固定回線(家のインターネット回線)のみ
事務手数料概ね3,300円前後
MNP転出の手数料初期契約解除に伴ってMNP転出をする場合

光回線に関わるのは、工事費用の行です。サイトは上限について、こう書いています。

工事の種類によりますが、最も高額なものでも2万7,500円まで(土日・休日等の場合、別途加算あり)

表は、読んだ頁の書き方を並べたものです。あなたの契約で、どの項目がいくらになるかは、この記事では判断していません。

受け取ったお金は、返ってくるの?

第4項は、事業者がすでに受け取っている金銭等について書いています。

電気通信事業者は、第一項の規定による電気通信役務の提供に関する契約の解除があつた場合において、当該契約に関連して金銭等を受領しているときは、当該契約の解除をした者に対し、速やかに、これを返還しなければならない。

こちらにも、総務省令で定める額を除くただし書が付いています。

契約の書面に「解除できない」と書いてあったら?

約束の中で、制度を外していたら?

第5項は、利用者に不利な特約は無効と定めていました。

前各項の規定に反する特約で利用者に不利なものは、無効とする。

一方で、総務省の資料は、対象サービスであっても初期契約解除が適用されない場合を挙げています。その1つ目は、次のとおりです。

書面交付義務の適用がない場合

括弧書きで、法人契約や、軽微な変更のみの契約などが例に挙がっています。自分の契約がどれに当たるかは、書面と事業者の案内で確かめる必要があります。

よくある質問

8日を過ぎてしまったら、もう何もできませんか

条文には、事業者などが解除について事実と違うことを告げたために期間内に解除しなかった場合の定めがあります。その場合は、解除できる旨を書いた書面を受け取った日から、改めて8日と数える書き方になっています。当てはまるかどうかは、この記事では判断していません。

電話で「解除します」と伝えれば足りますか

条文は「書面により」と書いています。電話で足りるかどうかは、読んだ条文と資料には書かれていませんでした。

携帯電話の「確認措置」とは何ですか

携帯電話ポータルサイトは、大手の携帯会社などが初期契約解除の代わりに「確認措置」を適用していると書いています。光回線の記事なので、ここでは扱いません。

この整理が変わる条件

光回線の初期契約解除のめやす
・契約の書面を受け取った日から8日を経過するまでは、書面で解除できる
・解除の効力は、書面を発した時に生じる
・解除までの利用料や工事の実費などは、払うことがある
・制度に反する特約で利用者に不利なものは無効
・法人契約など、適用されない場合もある

出典

自分の契約に当たる決まりは、契約の書面と事業者の案内で確かめてください。

当方が上の出典を引いて確かめた日:

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