なぜそうなるか

光回線の電話勧誘で届く書面は2つある——国民生活センターは、契約後の「契約書面」とは別に、契約前の説明時に「説明書面」も送付されると書いていました

夕方、家の固定電話が鳴る。いまの回線の会社の名前が聞こえて、工事の手続きがあるので住所と名前を確認させてほしいと言われる。そのまま答えてしまう人がいても、不思議ではありません。

電話を切ったあとで、あれは本当にいまの契約先だったのかと気になりだす。何かの契約をしたことになっているのか、それとも案内を聞いただけなのか、自分でも分からなくなります。

契約書面を受け取ってから8日の内に書面で解除できる決まりは、前の記事で電気通信事業法の条文から読みました。今回は、その手前の話です。電話の最中と、契約の前に何が届くはずなのかを扱います。

手がかりにしたのは、国民生活センターが2026年7月1日に公表した「光回線サービスの電話勧誘トラブルが増えています!」の頁と、頁の最後に置かれた報告書本文のPDFです。どちらも2026年9月27日の時点で読みました。

報告書には、相談の事例が4つ、問題点が3つ、消費者へのアドバイスが5つ並んでいました。この記事では、そのうち書面と電話口のやり取りに関わる部分を中心に取り上げます。

どの回線やプランを選ぶべきか、料金がいくらかは扱いません。あなたが受けた電話が、ここで読んだ事例に当たるかどうかも、この記事では判断していません。

この記事でわかること
・国民生活センターの頁は、光回線のトラブルの相談のうち電話勧誘が約6割を占めると書いている
・電話勧誘では、契約後の「契約書面」とは別に、契約前の「説明書面」も送付される
・紙の説明書面は、消費者がメールや口頭の説明を自分から求めない限り、送られる必要がある
・電話口では、事業者名とサービス名を確かめる

どれくらい、電話で勧誘されているの?

電話で光回線を勧められるのは、よくあることなの?

頁の冒頭は、光回線のトラブルの相談のうち電話勧誘によるものが約6割と書いていました。

光回線サービスなどのインターネット環境は、日々の生活で欠かせないサービスになっていますが、全国の消費生活センター等には、光回線サービスのトラブルに関する相談が寄せられており、電話勧誘によるトラブルが約6割を占めています。

報告書の参考資料では、2021年度から2025年度までの光回線のトラブル全体56,335件のうち、電話勧誘販売が32,234件、57.2%でした。件数は2026年4月30日までに登録された分です。

年度ごとの電話勧誘の相談は、図1で2021年度が6,355件、2025年度が8,491件と示されていました。5年分を足すと、参考資料の32,234件と同じ数になります。

どんな相談が寄せられているの?

頁は、寄せられた声を3つ挙げていました。契約中の事業者の手続きだと思ったら別の事業者との契約になっていた、というものが1つ目です。

2つ目は、いまのサービスが使えなくなるので乗り換えが要ると言われたが、そういう事実はなかった、というもの。3つ目は、安くなると思って契約したら覚えのないオプションが付いて高くなった、というものでした。

電話の最初に、何を確かめればいいの?

いまの契約先からの電話だと思って、話を聞いてしまった。

頁のアドバイスの1つ目は、事業者名とサービス名の確認でした。

突然電話がかかってきた際は、必ず事業者名とサービス名を確認しましょう。

報告書は、この助言の理由を、冒頭の聞き違いに置いています。

電話の冒頭の説明で契約先事業者からの電話だと誤認してしまうケースがみられます。

事例の2つ目は、契約先の大手通信会社を名乗る電話を受けた70歳代の女性の相談でした。住所と名前、携帯電話の番号を伝え、1か月ほどで書面が届くと言われたところで、不安になったという内容です。

その日のうちに答えなくてもいいの?

報告書は、電話がかかってきた日に契約しないよう書いていました。理由として挙げていたのは、電話という手段の性質です。

電話勧誘は不意打ち性が強く、その場で冷静な判断ができない可能性があります。

契約の前に、何が届くはずなの?

書類は、契約してから届くものじゃないの?

電話勧誘では、契約の前に「説明書面」が届き、契約の後に「契約書面」が届く、という書き方でした。

電話勧誘では、契約後に送付される「契約書面」とは別に、契約前の説明時に説明内容を記載した書面である「説明書面」も送付されます。

続く文で、事業者の側がすることが書かれています。

勧誘を行う事業者は、契約前の説明時に消費者に説明書面を送り、その書面に基づいて消費者に説明する必要があります。

メールや電話の説明だけで済まされたら?

紙で送られるのが原則で、メールやSMS、口頭の説明に代えられるのは、消費者の側がそれを求めたときに限られる、という書き方でした。

勧誘を受ける消費者が、積極的に「メールやSMS」等の電子的な方法や、「電話による口頭説明」を求めない限り、紙媒体の説明書面を送る必要があります。

報告書の脚注には、事業者に誘導されて代わりの方法を選んだ場合は、消費者が積極的に求めたことにはならないとも書かれていました。電話で説明を受ける方法を選んだときも、そのあと速やかに説明書面が届いていなければ説明義務の違反になる、という扱いです。

手元に書面がないまま話を聞くのが不安なときについては、次の一文がありました。

突然の電話で手元に説明書面がない状態で話を聞くことに不安がある場合や、メール・SMS等を見ながら説明を聞くことが不安な場合は、必ず紙で説明書面を送ってもらい、後日改めて説明を聞くことを求めましょう。

届いた書面は、どこを見ればいいの?

書面が届いても、読まずにしまってしまいそう。

報告書は、覚えのないオプションに、書面で初めて気づく場合があると書いていました。

契約書面が届いて初めて気づく場合もありますが、元々契約した認識がないため、書面をきちんと確認しないまま、契約に気づかずに支払い続け、数カ月後に気づくケースもみられます。

事例の4つ目では、工事が済んだあとで契約書を見直したところ、動画の見放題やクラウドの保存サービスなど、覚えのないオプションがいくつも付いていたと書かれていました。

オプションの扱いについて、報告書は次の一文を置いています。

なお、光回線サービスなどの電気通信サービス以外のオプションを電話勧誘で契約した場合、特定商取引法の「クーリング・オフ」の対象となる場合があります。

回線そのものの解除の期間と、解除しても支払うことがある費用は、前の記事で読んだとおりです。ここでは繰り返しません。

よくある質問

相手が名乗った会社名を、あとから確かめる方法はありますか

報告書は、覚えのない事業者から書面やメール・SMSが届いたら、すぐに中身を確かめるよう書いていました。電話で聞いた名前と、届いた書面にある事業者の名前が同じかどうかを見比べるのが、手元でできる確かめ方です。

契約した覚えがないのに、書面が届いたら

報告書は、契約した覚えがなければ、速やかに書面等に書かれている事業者にその旨を申し出るよう書いていました。8日の内の解除の書面の出し方は、初期契約解除の記事で読みました。

誰に相談すればいいですか

頁は、不安なときやトラブルが起きたときは、最寄りの消費生活センター等に相談するよう案内しています。消費者ホットラインは188です。

この整理が変わる条件

光回線の電話勧誘のめやす
・光回線のトラブルの相談のうち、電話勧誘によるものが約6割
・電話口では、事業者名とサービス名を確かめる
・契約の前に「説明書面」、契約の後に「契約書面」が届く
・紙の説明書面は、自分からメールや口頭を求めない限り送られる
・書面が届いたら、覚えのないオプションが付いていないかを見る

出典

電話を切ったあと、届いた書面にある事業者の名前が、電話で聞いた名前と同じかを見比べてください。

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